”ハイス"とは?

"ハイス"は高速度工具鋼のことでハイスピードスチールを略してハイス、ハイス鋼、HSSなどと呼ばれる鋼です。
高速回転時の高温で軟化しにくい回転切削工具に向いた鋼材です。
この「高温時の耐軟化性を高める」ため、通常の鋼にCr, W, Mo, Vなどを添加し、焼入後にその性能を発揮します。

 

日本国内では大正時代初期に安来鉄鋼合資会社(現 日立金属安来工場)が製造に成功したのが最初と言われています。

 

超硬合金と比べると、耐摩耗性については劣りますが靭性に富んでいます。
耐摩耗性についても、粉末冶金による組織の微細化(粉末ハイス)やCoの添加(コバルトハイス、HSSCo)、コーティングなどにより、その弱点を克服しつつあります。

 

日本工業規格 (JIS) では、「JIS G4403」として高速度鋼が規定されており、記号「SKH」で識別されています。
代表的な鋼種として、SKH51、SKH55などがあります。

 

2018年06月14日