工具製作あれこれ

ハイス鋼工具の製作手順

 

標準的なハイス鋼工具の製作手順です。

1.丸棒の鋼材の切断・・・社内で切る場合と、鋼材屋さんに切って頂く場合があります。

2.旋盤加工・・・ネジ穴、各穴などの加工も行います。

3.フライス加工・・・ここで大体の形状が確定します。ここまでは焼入前なので、「切削」加工になります。

4.焼入・・・これは焼入の専門会社にお願いしています。

5.刃裏研磨、円筒研磨、刃付研磨・・・これらは砥石による「研磨」加工になります。

6.検査、洗い、錆止め・・・物によってはコーティング(外注)もします。

7.梱包、出荷

 

2018年06月13日

”ハイス"とは?

"ハイス"は高速度工具鋼のことでハイスピードスチールを略してハイス、ハイス鋼、HSSなどと呼ばれる鋼です。
高速回転時の高温で軟化しにくい回転切削工具に向いた鋼材です。
この「高温時の耐軟化性を高める」ため、通常の鋼にCr, W, Mo, Vなどを添加し、焼入後にその性能を発揮します。

 

日本国内では大正時代初期に安来鉄鋼合資会社(現 日立金属安来工場)が製造に成功したのが最初と言われています。

 

超硬合金と比べると、耐摩耗性については劣りますが靭性に富んでいます。
耐摩耗性についても、粉末冶金による組織の微細化(粉末ハイス)やCoの添加(コバルトハイス、HSSCo)、コーティングなどにより、その弱点を克服しつつあります。

 

日本工業規格 (JIS) では、「JIS G4403」として高速度鋼が規定されており、記号「SKH」で識別されています。
代表的な鋼種として、SKH51、SKH55などがあります。

 

2018年06月14日